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第1回建築レビュー



―第7期山中研究室始動―

H25年度第1回研究室会議が行われた。

山中先生が准教授に昇進なされ、落合研究員、学部生、大学院生合わせて19名で新年度のスタートがきられた。



―建築レビュー#1「Caruso St John Architects works」/発表者:櫻井(M1)―

新年度第1回建築レビューはM1櫻井が発表した。

Caruso St John ArchitectsはAdam CarusoとRod Heyesからなる建築家ユニットであり、ヨーロッパを中心に活動している。

今回は彼らの作品の中から、コンクリートによる新しいファサード表現を行なっている近作2作品のプレゼンテーションが行われた。


―レースを転写したPC外壁―

一つ目の作品は「Nottingham Contemporary(2009)」

歴史的な町並みが残るイギリス・ノッティンガム市に建つ現代美術館である。インスタレーション等を行うための分節された複数の展示室を持つこの建築は、周辺町並みからインスピレーションを受け、ノッティンガム市がレースの生産で有名であることから外壁のPC版へレース地の転写を行なっている。


―モニュメント性と仮設性の間―

二つ目の作品は「ZSCLV STADIUM(2012-2020)」

ドイツ・チューリッヒの郊外に建つアイスホッケーとバレーボールのコートを合わせて3面持ったスタジアムである。工場やサーカスのテントのような軽快さと、モニュメント性を兼ね備えた表現として「Nottingham Contemporary」と同様の波模様のPC外壁が使用されている。


―近代的な装飾表現―

Caruso St John Architectsのよるこれらの作品は波板状のPC外壁によって、軽快さと装飾性の両立を図っていた。日本ではあまり外壁材としてPC部材が用いられることは少ないが、「凍害の出る寒冷地ならではの工法なのではないか」と山中は分析した。日本の建築界よりもよりPCを日常的に使用する環境、それがこれらの外装表現、そしてレース地の転写等の応用を生んだのではないかとした。

これから卒業研究、そして卒業設計に進むにあたって外壁の装飾性だけではなく、これらの建築の持つ断面的処理、特に「Nottingham Contemporary」で行われているような敷地なりの建築の持つバランス感覚を意識的に見るよう指導が行われた。



―修士研究―

三題の修士研究の発表が行われた。今年度は全員が修士設計として研究をスタートさせた。

テーマに関しては探り探りな印象もあるが、対象にしている敷地や社会問題に対して議論がかわされた。



―卒業研究―

九題の卒業研究発表が行われた。九人それぞれが全く違うことに対して興味を持っており、多様な話題が示された。これからの研究室会議での議論の広がりが楽しみである。



M1の発言の少なさに山中から苦言が出たが、M2他四年生からも多くの質問が投げかけられ、議論する雰囲気が今年もまた研究室会議につくられようとしている。

二年目を迎える建築レビューやエスキスを通して新しいアイディアと研究室の強いつながりが生まれることを願って。



朝倉



【参照資料出典元】

1. a+u 2010年2月号/新建築社

2.Caruso St John Architects HP

   /http://www.carusostjohn.com/



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Nottingham Contemporary

外観/外観/短手断面図

ZSCLV STADIUM

外観/外観/1階平面図/長手断面図

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