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第2回建築レビュー



二回目の研究室会議では新メンバーである4年生と研究員の落合との初顔合わせとなった。

落合から今まで取り組んできた様々なプロジェクトが紹介され、4年生にとっては研究室とはどのような活動が行われているのかを実感する良い機会となった。



ー建築レビュー#2「UN Studio Ben van Berkel&Caroline Bos architecture」/発表者:田中(M1)ー

UN StudioはBen van BerkelとCaroline Bosの2人の建築家からなる組織である。

彼らは、人の移動空間に操作を加え、建築と他の要素の関連性を強める手法をとる。今回は2つの作品について、プレゼンテーションが行なわれた。


ーViLA NM (2000-2007)ー

アメリカ、ニューヨークの北部森林地帯の中に建つサマーハウス。箱状のボリュームを北斜面に沿って伸ばしているものと、上空に伸びるボリュームの2つによって構成されており、各部屋に行く通路が傾斜となっている。

この構成によって流動的な連続性が生まれ、「景観と人」という対の関係ではなく、体験するシークエンスの中で自然を享受する。


ーExtension Te Papa Museum (2005)ー

ニュージーランドの国立博物館の増築計画のコンペ案。2方向に伸びたボリュームはワイタンギパークの緑に向かって開いており、その間に公共空間を作り出している。この建築は、従来のギャラリースペースとは異なり、傾斜した八の字の動線をとることで、それぞれの展示スペースにはレベル差が生まれ、来場者は中央部で交差する。様々な角度から展示品を見るだけではなく、来場者自体も展示されるような関係をつくり、見る見られるという曖昧な関係を生み出している。


ー移動空間に加えられる曖昧さー

今回取り上げたUN Studioの2作品の共通点は“移動空間に加えられる仕掛け”である。ViLA NMではボリュームの移行による連続性を用いて内部空間と自然との空間との間に曖昧さを生み出し、Extension Te Papa Museumでは傾斜した八の字動線によって人と展示物の見る見られるという曖昧な関係をつくりだしたのではないだろうか。



ー修士研究ー

教育や行政、まちづくりなど一人一人が難しい社会問題について考えを発表し、様々な議論が起こった。この難しい問題に対して建築が建築がどう関わっていくか。今後の進展が楽しみである。



ー卒業研究ー

9人それぞれが興味あるテーマについて、理解を深めるためにの文献調査が始まってきた。

今後の研究室会議で、少しずつ踏み込んでいき、意外な事実や面白い成果が出るのを期待しよう。



奥富



【参照資料出典元】

1.a+u 2007年12月号/新建築社

2.a+u 2006年9月号/新建築社

3.UN Studio HP /http://www.unstudio.com/




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ViLA NM

外観/内観/長手断面図

Extension Te Papa Museum

空間ダイアグラム/

動線ダイアグラム/断面図

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