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第3回建築レビュー



OB・OG会やゼミ合宿の企画が始まり、予定が遅れながらも企画の進度が発表された。OB・OG会に関しては山中研究室が出来てから初の行事であり、まずは先輩方の名簿リスト作成から始めている。今回、第三回目となる研究室会議は、そんな楽しみなイベントの期待と不安を抱きながら始まった。



ー建築レビュー#3「浮かぶ図書館」/発表者:山井(M1)ー

山井は武蔵野美術大学図書館(藤本壮介)やBook Mountain(MVRDV)のように書架にフォーカスをあてた建築が増えていく中で、独特な書架の扱いをしている建築に着目した。今回はユトレヒト大学図書館とヴァスコンセロス図書館の2作品について発表が行われた。この二つの図書館の特徴は書架を軽く見せ、浮かせる手法をとっていることである。


ーUtrecht University Library(2005)ー

Wiel Aretsによって設計されたオランダ最大規模の大学の図書館。図書館がメインだがそれ以外にギャラリーや講義室、カフェなどを持つ。書架はただ並べられるのではなく、一つの書架ボックスとして壁柱によって支えられた空間に配置されていく。それらを緩やかにつないでいく構成となっている。本の森の中を歩き回れるコンセプトで建築され、外壁や窓には柳や竹の模様が用いられている。


ーVasconcelos Libraryー

メキシコシティに立つ、植物園やオフィスも兼ねた図書館。メキシコ国立図書館長のホセ・ヴァスコンセロスにささげられた図書館。政府予算を削減し、図書館だけで約100億円をかけた。書架は全て釣られており、それによって視線が抜けるとともにフットプリントを多く確保している。しかし、全ての書架を釣る構造ゆえ欠陥が見つかり、2006年に開館したもののその1年後に閉館し、2008年にリニューアルオープンした。


ー書架の扱いー

いずれも図書館にとって最も中心にある書架に対して浮かす・軽くするという手法をとったが、ユトレヒト大学図書館は壁柱の構造が書架のヴォリュームが浮いたようにみせる際に邪魔している。ヴァスコンセロス図書館は書架を釣るという大胆な発想の一方で、釣り方が単調であり工夫できた。しかし、従来の概念や手法に対して新鮮であり、参考にすべきである。



ー修士研究ー

3回目の修士研究の発表。それぞれのテーマで濃い内容の議論が飛び交う。これこそが山中研の修士研究だと感じると同時に、来年の自分にもこんなハイレベルな議論は出来るのだろうかと思ってしまった。



ー卒業研究ー

調査を進めていくうちに方向性を見失ったり、行き詰まったのかなと感じる4年生も出てきたように感じた。一人でモヤモヤせずに4年生同士で話し合ったり、先輩に話をしてみたりして、様々な意見を聞くことも大事なのかもしれない。



奥富



【参照資料出典元】

1.Arch daily

2.a+u 2005年2月号/新建築社

3.Biblioteca|vasconcelos|Library



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Vasconcelos Library

外観/内観/平面図・断面図

Utrecht University Library

外観/内観/断面図

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